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保険会社との裁判について

保険会社の顧問医の医療意見書問題

 裁判の当事者自体は加害者本人なのですが、実際に訴訟対応をするのは保険会社となります。
 そのため、加害者の代理人には保険会社の顧問弁護士が就任することが一般的です。
 保険会社は、自らの保険金支払いを抑えるために、被害者の損害賠償額を抑えることを目的に裁判を争ってきます。

 後遺障害事案では、特に休業損害、逸失利益が大きな損害項目となります。
 そこで、保険会社は、裁判が始まると被害者の医療記録(カルテ、画像記録等)を文書送付嘱託という裁判所の証拠収集手続によって取り寄せます。
 その上で、被害者の医療記録を保険会社の顧問医に見せて、保険会社に有利な内容の医療意見書を作成させて、裁判に証拠として提出するのです。
特に、東京海上日動は、東京海上メディカルサービスというグループ会社に所属する医師に医療意見書を作成させることが多い印象です。
 
 顧問医は、保険会社のお抱えですから、ほぼ間違いなく被害者に不利な内容の医療意見書を作成します。
 例えば、被害者は自賠責保険では○級の認定だけれども、医療記録をみれば大した治療をしていないから非該当だとか、被害者は休業損害の請求をしているけれども、医療記録では休業まで必要がないといった内容です。
 しかし、被害者にどのような等級が認定されるのかは原則として自賠責保険の専門的判断となりますし、被害者に休業が必要であったかどうかは医療記録だけでは分からないはずです。
そもそも、被害者を診察すらしていない医師が、保険会社側に立って被害者に不利な内容の医療意見書を作成すること自体が、医師法や医師の倫理の観点から大きな問題があると考えられます。

 実際に当事務所が経験した保険会社の医療意見書の中には、耳鼻咽喉科の後遺障害が裁判で争われているのに、保険会社の脳神経外科の医師が作成した医療意見書が提出された事例がありました。この意見書を作成した医師は、意見書中に自らの専門分野を明示せずに、単に医師とだけ記載していたため、不信を抱いて医師名を調査したところ、実は、問題となっている耳鼻咽喉科と異なる脳神経外科の医師であることが判明したのです。このことを裁判で指摘したところ、当然、裁判所は保険会社の言い分を認めませんでした。
 このように、保険会社側の提出する医療意見書は信用できないものが多く、当事務所では保険会社側の提出する医療意見書に対しては徹底的に争う姿勢を取っています。

 保険会社の顧問医が作成する医療意見書の対応策の基本は、意見書の内容が実際のカルテや画像検査の記録と一致しているかどうか、被害者の治療の実態と整合しているかどうか、問題となっている後遺障害に関連する専門分野の医師が作成しているかどうか、保険会社側に過度に有利な意見となっていないかどうか、といった点を弁護士が見極め、場合によっては主治医に再意見を求めたり、被害者側で反証をすることが必要な場合もあります。
 いずれにせよ、被害者としては、保険会社との訴訟対応に長けた弁護士に依頼することが重要です。

 

解決まで要する期間

このように、保険会社は裁判において被害者の医療記録を病院から取り寄せ、医療意見書を作成して争ってくるため、解決まで半年前後を要することが多く、判決までは1年を超える場合もあるのが現状です。
 そこで、早期の示談解決や紛争処理センターにおける解決が被害者の意向に沿う場合もあります。
 他方、民事裁判で解決する場合、判決では弁護士費用(認容額の10%程度)、遅延損害金(事故日から年5%)が認められるという裁判を提起するメリットもあります。
 当事務所では、それぞれの事案に応じて、裁判をした場合のメリット・デメリット、解決までの時間を依頼者の皆さまに説明し、どのような解決がベストかを一緒に考えながら事件解決にあたっています。

以 上

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